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『ペンギンのバタフライ』 中山智幸

ペンギンのバタフライ

中山智幸(なかやま ともゆき)

PHP研究所

NetGalleyJP

あなたの小さな決断が、どこかの誰かを幸せにする――
昔好きだったミュージシャンの事故に巻き込まれて死んだ妻を取り戻すため、佳祐はあの坂道を自転車で逆走して時間を遡ることに成功したのだが。(「さかさまさか」)
「名前をもらってくれませんか」台風の夜、妻の出産のために訪れた病院で出会ったのは、幼い時に死別した父親だった。(「バオバブの夜」)
「ぼくね、きみの生まれ変わり」と白髭の太った老人から言われて……(「ふりだしにすすむ」)
なぜか2年後からメールをくれた彼女の、やっかいな願いごととは。(「ゲイルズバーグ、春」)
他人の未来が見えてしまう俺は、自分が神だと思っていたのだが……(「神様の誤送信」)
5つの短編小説が複雑に絡み合って、「バタフライ効果」の如く“奇跡”を生み出していく。あたたかい涙が思わずこぼれる、少し不思議な物語。

 バラフライは水泳のバタフライじゃなくて、蝶のことだったんですね。バタフライエフェクト「ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきがテキサスで竜巻を引き起こすのか?」という問いに対して、可能性は低いけどないとはいえないとわたしは思っています。

 まったく関係ないところで起きたことが別の場所に影響を与えるという話が本当なら、わたしがさっきの分かれ道で右ではなく左を選んだことで誰かの運命が変わってしまうのかもしれないのです。

 

 「神様の誤送信」で、他人の未来が見えてしまう主人公が誰かの不幸を見つけてしまって、それを阻止しようとするんだけど上手くいかないという話は、なんだか分かる気がするなぁ。誰かの運命を変えようと思って何かをしても、運命は変わらない。でも、何にも考えないでやったことが誰かの運命を変えることはある。そんなものなんだよなって思います。

 わたし自身不思議に思っているのは、今までやってきたほとんどの仕事が突然終わるんです。それなりにうまく回っているはずなんだけど、唐突に終わりがやってくるんです。そのたびに「さぁ、次の世界へ進みなさい」って神様に言われているような気がするんです。これも誰かが動いた結果なのかしら?

 「ゲイルズバーグ、春」の元ネタである「ゲイルズバーグは春を愛す」がすごく気になってます。この本を探して読まなくっちゃ。

 別のところで生まれた5つの物語が少しずつ関係しあって、不思議な面白さのある物語でした。

#ペンギンのバタフライ #NetGalleyJP

2201冊目(今年221冊目)

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