『MC論』 古舘伊知郎
司会者の役割も変わっていきました。「台本通りに進行する技術」から、「生まれた流れに合わせて仕切る技術」が求められるようになり、それはいつしか司会進行ではなく、MC(マスター・オブ・セレモニー master of ceremonies)という呼び方になりました。
MCは、番組のホスト役であり、いかにゲストを引き立てて、自分も引き立たせるシナジー効果を出せるかが勝負となりました。(本文より)
初期のTVやラジオの司会者は、出演者を紹介したり、番組を円滑に進めることを主に行っていました。ですから局アナが行うというのが基本でした。それを大きく変えたのは、やっぱり巨泉さんですね。彼の場合はただの司会者ではなく番組の企画の段階から参加しているプロヂューサー的役目も大きかったような気がします。
その次の世代になると、タモリ、さんま、鶴瓶ですね。意外と本人はしゃべらないタモリ、とにかくしゃべりまくるさんま、相手の懐に入るのがうまい鶴瓶。それぞれの特徴を一生懸命に分析している古館さんの眼力がすごいです。
黒柳徹子の情報力と記憶力を絶賛しているのは、古館さんがこのスタイルに近いからなのでしょうか?でも、黒柳さんのパワーにはかなわないと思ってるようです。
最近の司会者の分析の中で羽鳥慎一さんを「司会者界のファブリーズ」と見事なキャッチフレーズをつけてます。あのあくが強い玉川さんをうまく使いこなせているのは彼の力だという分析に、なるほどねぇと思ってしまいました。
そして司会者といえば忘れてならないのが「みのもんた」です。文化放送の局アナだったころにラジオ番組を聞いていたわたしとしては、彼はなぜあんなにビッグになっちゃったんだろう?って思っていたのですが、「みのさんの特徴はサービス精神」たしかに、そこですよね。
最近の司会者は圧倒的にお笑い系が多くなってますけど、それでいいのかしら?それ以外にもいい人はいると思うんです。わたし的には「リリー・フランキーのような脱力系が好きですが、ワイドショー向きじゃないものね(笑)
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