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『ジキルとハイド』 ロバート・ルイス・スティーヴンソン

ジキルとハイド
The Starange Case of Dr. Jekyll and Mr. Hyde

ロバート・ルイス・スティーヴンソン
Robert Louis Stevenson

田口俊樹(たぐち としき) 訳

新潮文庫

 「ジキルとハイド」といえば、人間の二面性の代名詞となるくらい有名な話で、映画を見たことはあったけど、小説として読んだのは今回が初めてです。

 ジキル博士が、自分が死んだらハイドという男に遺産を残すという遺言書を書いたことを、弁護士のアタスンは快く思っていません。長年の友人である自分が知らない若い男に、どうしてそんなことをしてやるのか?理解に苦しみます。

 もしかしたら、50代で独身のジキル博士はハイドという若い男と特別な関係にあるんじゃないかと疑っているような気もします。この本が書かれたのは19世紀ですから、それは犯罪行為です。友人としてこの関係を解消させなければと思ったのかもしれません。

 アタスンはハイドに会ってみたのです。彼は肌の青白い小男で、とても不愉快な雰囲気を持っていたのです。ますます、どうして彼がジキル博士とそこまで親しくなったのかを不審に思うようになったのです。

 

 ジキル博士は世間的には立派な紳士でしたけれど、黒い部分も持っていて、それを隠しながら生きるのが嫌になっていたのかしら?薬の力でハイドに変身したときに、何の躊躇もなく悪いことをできる快感の虜になってしまったのかもしれません。

 最初は薬を飲んでいる間だけハイド氏に変身していたのだけれど、次第にハイド氏になっている時間が増えてきて、ジキル博士はあせります。このままだと、自分の身体はジキル氏に占領されてしまう!

 

 この小説を読むまでは多重人格の話かなと思っていたのですが、読んでみると薬物依存症のような感じですね。最初は軽い気持ちで始めたのだけれど、そこから逃れられなくなってしまったジキル博士は悲劇的な最期を遂げるのですが、彼としてはそれでよかったのかもしれません。

 この小説が書かれたのは1886年、霧のロンドンの時代です。人間の欲望というのは昔も今も変わらないからこそ、この話の普遍性は続くのでしょうね。

2184冊目(今年204冊目)

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