『歩く人 完全版』 谷口ジロー
郊外の一戸建てに引っ越してきたばかりの夫婦、この家の縁の下から出てきた犬を「飼おうか」「そうだね」と飼うことにしたり、仲がよさそうな雰囲気にあふれてます。
旦那さんは歩くのが大好きです。会社帰りに1駅前で降りて歩いてきたり、郵便局へ行ったついでに商店街をぶらぶら歩いたり、いろんな建物や人や植物や動物に出会うのが好きなのです。
以前はもっと都会に住んでいたのでしょうか、野鳥に興味を持って図書館へ調べに行ったり、町にある富士山に登ったり、犬と一緒の散歩も、一人での探検も楽しそうです。
木に登ったり、学校のプールに勝手に入って泳いできたり、雨に降られてびしょぬれになっても全然いやそうじゃないし、元気な小学生がそのまま大人になってしまったような人なんですね。そんな彼を「あら、濡れちゃったわね」という感じで迎えてくれる奥さんもいいなぁ。
何気ない日常を過ごすことって、とても幸せなことなんだなぁて思えてきます。
谷口さんの作品がフランスでとても評価が高くて、フランス政府芸術文化勲章シュヴァリエ章を受章しているのだそうです。
こんなのどかな日本の姿を彼の地の方たちは、どんな気持ちで見ているのでしょうか?
2208冊目(今年228冊目)
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