『老後レス社会 死ぬまで働かないと生活できない時代』 朝日新聞特別取材班
総務省による2018年の労働力調査によると、雇用者のうちの非正規労働者の割合は、男性が22%なのに対し、女性は56%に上っている。結婚退職後に再び働きだす主婦や高齢女性のパート労働も含まれているとはいえ、男性の二倍以上の割合の女性が非正規労働を担っていることはもっと注目されてしかるべきだろう。大学卒業以来、非正規労働を長年続けているというような男性も増えているものの、派遣や契約、パートタイム労働に就いている勤労者の大多数は、やはり女性なのだ。(p121)
長寿に加えて、今後も未婚・離別の女性は増え続けると予想されており、2050年には高齢女性の二割近く、約583万人にもなります。貯蓄が少ないと80代、90代まで持たないでしょう。これだけ絶対数が多いと、生活保護では対応できなくなる。
高齢になっても働き続けなければならない女性たちが大量に生まれる近未来の日本、まるで、彼女らを低賃金で使ってきた日本社会への「復讐」のように思える。(p140)
エッセンシャルワーカーなんてカッコいい呼び方をしても、現場仕事の置かれた状況は変わりません。仕事はキツいのに、賃金は少ない、休みも取れない、そういう仕事を多くの非正規の人が担ってきたのです。それを見ないふりをして放ってきたツケが、コロナ禍で更に大きくなってしまったのです。
同じ労働であれば同賃金をという掛け声をかけたって、ちっとも賃金格差はなくなりません。賃金以外の格差もとにかくヒドイ!「女性活躍の時代」なんてカッコいいことを言っただけで、現実は何も変わっていないんです。
非正規で賃金が少ないということは年金も少ないということです。わずかな年金を補うのは労働によるわずかな賃金。年金で優雅な老後なんて夢物語です。
ある程度の規模の会社勤めをしていて、そこを退職後、健康のために仕事をしている人たちのことも、紹介されていましたが、この人たちは極々恵まれた人たちだなぁって感じてしまいました。
本当に問題なのは、生活のために働き続けるしかない人たちです。その人たちをどうフォローしていくのか?については、この本の中では全く語られていません。
国はこの問題を本気で考えてるのかなぁ?と疑問ばかりが湧いてきてしょうがないのでした。
2216冊目(今年236冊目)
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