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『僕は、そして僕たちはどう生きるか』 梨木果歩

僕は、そして僕たちはどう生きるか

梨木果歩(なしき かほ)

岩波文庫

君たちはどう生きるか』の主人公にちなんで「コペル」と呼ばれる14歳の僕。ある朝、染色家の叔父ノボちゃんがやって来て、学校に行くことをやめた親友ユージンに会いに行くことに(書籍紹介より)

 ノボ叔父さんが染色に使うヨモギを採りに行きたいという話になって、そういえばユージンの家の庭にヨモギがたくさん生えていて、おばあちゃんが作ってくれたヨモギ団子が美味しかった、ということをコペルくんは思い出したのです。しばらく会っていなかったユージンに会いたいという気持ちもあったし、2人でユージンの家へ行ってみたのです。

 久しぶりに会ったユージンは、思ったよりも背が伸びていたけれど、話をしてみると昔のままのような感じでした。

 

 コペル、ユージン、ユージンの従妹のショーコ、ノボ叔父さん、謎のインジャ、それぞれがいろんな思いを持っているのです。社会と上手く折り合いをつけて生きていける人たちが世の中のことを決めているけれど、それができない自分たちはどう生きていけばいいんだろう。今は割と自由にさせてもらっているけど、昔の人たちはそんなことも許されずにいたんだろうかとか、そこから逃れようとした人たちはどんなことをしていたのだろうかとか、いろんなことを考えるのです。

 

 社会の圧力に屈せずに生きていくって結構難しいことだなと思いながらも、自分に正直に生きていこうと一生懸命に考え続けている彼らはどんな大人になっていくのかしら?

 考えることが大事だと思わずに生きている大人たち、今からでも遅くないから彼らのように考え、悩んでください。自分の頭で考えることを否定してしまったら、どんなことをされるかわからない世の中でわたしたちは生きているのですから。

2226冊目(今年246冊目)

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