『7.5グラムの奇跡』 砥上裕將
国家資格の「視能訓練士」は取れたけれど、野宮くんは就職がなかなか決まりませんでした。もうだめかもしれないと思いながら面接へ行った「北見眼科医院」の北見先生は、彼に優しく語りかけてくれたのです。
「いいかい、野宮君。技術を学んでいく仕事で、最初の数年というのは、すごく大切だ。君が思っているよりもずっとね。うちは小さな病院だけど、最高の先生を君につけてあげられる。しっかりと勉強してほしい」(本文より)
白内障、緑内障、網膜剥離など様々な目の病気で眼科にお世話になるわけですが、目というのはとてもデリケートな器官なので、その検査はとても難しいのです。新人視能訓練士の野宮くんは、なかなか自分の技術に自信が持てずにいます。
北見眼科医院は小さな眼科ですけど、院長先生の北見恭一先生、凄腕の視能訓練士の広瀬真織さん、マッチョな看護師の剛田剣さん、カメラが趣味の看護師の丘本真衣という素晴らしい先輩たちに囲まれて、野宮くんは少しずつ成長していきます。
目の機能が下がっているのか?でも検査結果はそんなに悪くない。ということは、他の要因があるのかもしれないという患者さんが何人も登場します。 心の問題が身体に出るというのは、最近よく話題になっていますが、視力が落ちるという症状もあるのだということを初めて知りました。
患者さんたちとの良い関係を築くということが大事なんだよと教えてくれる先輩方、そして、それに少しずつ応えていく野宮くん。患者さんたちも、ちょっとしたところで力になってくれることもあって、こういういい関係を築ける医療機関っていいなぁと思いました。
喫茶ブルーバードに青い鳥の新しい写真が飾られるようになるのかなぁ?続編を期待しちゃいます。
この5篇が収められています。
第1話 盲目の海に浮かぶ孤島
第2話 瞳の中の月
第3話 夜の虹
第4話 面影の輝度
第5話 光への瞬目
前口径約24ミリ、重量約7.5グラム、容積訳6.5ミリリットルの中に宿る光は、この世界のほかのどんな場所に現れる光より眩しく思えた。
この、最後の言葉がとても印象的でした。
#75グラムの奇跡 #NetGalleyJP
2218冊目(今年238冊目)
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