『「カムカムエヴリバディ」の平川唯一』 平川洌
昭和21年(1946年)2月1日から、NHKラジオで「カムカム英語」が始まったが、平川はその英語会話講師を務めた。この番組は、敗戦によって沈みがちな人々の心に新たな希望をもたらし、瞬く間に人気となる。平川は、NHKラジオと民放のラジオ局時代を合わせ、計9年6カ月にわたって講師を務めたが、聴取者から「カムカム先生」と呼ばれ、50万通ものファンレターがくるほどの、時の人となっていった。(書籍紹介より)
この番組を聞いたことがないのに、なぜか主題歌は知っているのです。それくらい、カムカム英語は一世風靡した番組だったのでしょうね。
平川唯一さんの父、定二郎さんは戦前にアメリカへ出稼ぎへ行っていた人なのだそうです。1918年に、西海岸で働いている父を迎えに行くという口実でお兄さんの隆一さんと16歳の唯一さんはアメリカへ渡りました。その時の旅費はお父さんが送ってくれたということですから、出稼ぎで結構な収入があったようです。
全く英語がわからない状態でアメリカへ渡りましたが、職場には日本人が多く、英語がわからなくても仕事には差支えがなかったそうです。でも、それではアメリカへ行った意味がないと、唯一さんは小学校に入学します。最終的にはワシントン大学を卒業し、結婚を機に日本へ帰国します。
NHKで勤務することになり、それがラジオでの英会話番組につながっていったのですが、平川さんの真面目でありながら意外と向こう見ずなところがすごいなと思うのです。
マッカーサーの通訳もしたことがあるという平川さんの、とにかく英語を身近なものとして感じてもらおうという熱意がすごいのです。文法よりも会話に重きをおいて、直接話をすることでコミュニケーションを深めようという信念が素晴らしい。
恥ずかしがらずに声に出す、単語だけでもいいからしゃべってみる、それって大事なことです。
この方式を学校の英語教育にも取り入れてほしかったなぁと思います。だって、文法は得意でも話せないっていうのは悲しい現実ですもの。
今年後半のNHKの朝ドラに、さだまさしさんが演じる平川唯一さんが登場します。どんなドラマになるのか、楽しみにしています。
2228冊目(今年248冊目)
« 『麦本三歩の好きなもの』 住野よる | トップページ | 『獣たちのコロシアム 池袋ウエストゲートパーク XVI 16』石田衣良 »
「伝記・日記・ノンフィクション」カテゴリの記事
- 『河川敷の「原住民」』 趙海成 26-149-3908(2026.05.29)
- 『鹿鳴館の貴婦人 大山捨松』 久野明子 26-123-3882(2026.05.03)
- 『翠雨の人』 伊与原新 26-121-3880(2026.05.01)
- 『戦争とバスタオル』 安田浩一、金井真紀 26-100-3859(2026.04.10)
「日本の作家 は行」カテゴリの記事
- 『外科室』 泉鏡花、ホノジロトヲジ 26-161-3920(2026.06.10)
- 『鹿鳴館の貴婦人 大山捨松』 久野明子 26-123-3882(2026.05.03)
- 『笹森くんのスカート』 神戸遙真 26-105-3864(2026.04.15)
- 『一橋桐子(79)の相談日記』 原田ひ香 26-84-3843(2026.03.25)
- 『世の中で一番おいしいのはつまみ食いである』 平松洋子 26-66-3825(2026.03.08)
「朝ドラ」カテゴリの記事
- 『鹿鳴館の貴婦人 大山捨松』 久野明子 26-123-3882(2026.05.03)
- 『小泉八雲 漂泊の作家ラフカディオ・ハーンの生涯』 工藤美代子 26-3-3762(2026.01.04)
- 『アンパンマンと日本人』 柳瀬博一 25-194-3590(2025.07.16)
- 『アンパンマンの遺書』 やなせたかし 25-53-3449(2025.02.26)
« 『麦本三歩の好きなもの』 住野よる | トップページ | 『獣たちのコロシアム 池袋ウエストゲートパーク XVI 16』石田衣良 »




コメント