『月とコーヒー』 吉田篤弘
一日の終わりの寝しなに読んでいただく短いお話を書きました。先が気になって眠れなくなってしまうお話ではなく、あれ、もうおしまい?この先、この人たちはどうなるのだろう ーー と思いをめぐらせているうちに、いつのまにか眠っているというのが理想です。
ここに並べられた小説が、そうした役割を果たせるものかどうかわかりませんが、作者としては、そのような思い出書いたのです。(あとがき より)
この本に収められているのは、どれも短い物語です。青いインクを作っている山崎さん、オルゴールを直しているタクトさん、オリジナルの旗を作っている熊の父親さん。そんな職人さんたちが大勢登場します。泥棒もいるし、働いていない人もいます。いろんな人が主人公の物語がたくさんあるのです。
実際の世界にもいろんな人がいます。体力を使う仕事をしている人、気を遣う仕事をしている人、学校が嫌いな子ども、会社が嫌いな大人、勉強は好きじゃないけど部活のために学校に休まずに通っている高校生。お菓子が好きなおじさん。サンドイッチが好きなお嬢さん。それぞれがいろんな物語を作り出しています。その物語を誰にも知られていないかもしれないし、とても有名かもしれません。
同じ毎日なんてありません。同じ人なんていません。あなたはあなたの物語を生き続け、わたしはわたしの物語を作り続けるのです。一生懸命すぎる毎日を振り返って、何が見えてきますか。一見無駄のように見えることこそ、きっと誰かの役に立っているのです。
「セーターの袖の小さな穴」の青年は、これからどうなっていくのでしょうか?わたしだったら、本屋さんになってしまうかもしれません。
2235冊目(今年255冊目)
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