『ペッパーズ・ゴースト』 伊坂幸太郎
ペッパーズ・ゴースト(Pepper's ghost)は、劇場などで使用される視覚トリックである。板ガラスと特殊な照明技術により、実像と板ガラスに写った「幽霊」を重ねて見せることで、効果を発揮する。実像と「幽霊」はぶつかることなく交差し、照明の調整により「幽霊」を登場させたり消したりすることができる。イギリスの王立科学技術会館(Royal Polytechnic Institution、現在はウェストミンスター大学(University of Westminster))の講師(のちに館長)であったジョン・ペッパー(John Pepper)に由来する。(Wikipedia より)
中学校の国語教師、壇先生には他人の未来が見える「先行上映」という不思議な力があるんです。その未来の風景のほとんどがとんでもないことなので、先生は気が気じゃないんですけど、でもそれを相手に伝えたとして信じてもらえるのか?という問題があるんです。そりゃそうですよね、突然「あなたは、明日事故に遭います」なんて言われて信じるわけがないんですもの。
壇先生の生徒のひとりが小説を書いていて、それを読んで欲しいと持ってきます。読んでみると、猫を虐待する人を懲らしめようとするネコジゴハンター の2人の男の話で「こんな奴ら、本当にいるわけないよなぁ」って思いながら読んでます。
現実と小説が交互に進んでいくのですが、なぜか壇先生はあの2人に出会ってしまうのです。エエ~と思いながらも2人とともに行動する壇先生の戸惑い方が面白い!
物語の終盤のチェイスシーンで登場した「緑のデミオ」、うわぁ懐かしいなぁ、まだあの家にいるのかな?なんて喜んじゃったり。(緑のデミオくんは「ガソリン生活」の主人公です)
壇先生の不思議な力は誰かがくしゃみしたりした時の飛沫から感染して見るものだっていう設定、これは新型コロナ感染パターンと同じですよね。何年かしてこの作品を読み返すときに、「ああ、あの頃だったのか」って思い出すのかなぁ。
最後に語られる事件の真相に対する壇先生の想像は、なかなか深いものがあるなぁと思いました。ニーチェも読まなきゃね。
そして、ネコジゴハンターのアメショーとロシアンブルの2人、檸檬と蜜柑以来の名コンビかもね~!
2264冊目(今年284冊目)
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