『女子的生活』 坂木司
おしゃれして、好きなインテリアで部屋を飾って、(ブラックだけど)アパレル勤務。みきは憧れの“女子的生活”を謳歌していたが、ある日、マンションの部屋の前に不審な男が。「あの、ここに小川って奴が住んでるって聞いたんですけど―」マウンティング、モラハラ、毒親。次々現れる強敵に、オリジナルな方法でタフに立ち向かうみき。読めば元気が湧いてくる痛快ガールズ・ストーリー。(書籍紹介より)
アパレル企業に勤めている「みき」はおしゃれが大好き。今日は何を着ていこうかって、毎朝一生懸命に考えている。メイクもヘアスタイルもいろいろ工夫しなくっちゃ!女友達とのガールズトークはホントに辛辣!言いたいことを言い合って、ああ楽しい!
彼女はトランスジェンダーで、田舎ではなかなか理解されないので東京に出てきたんです。会社には面接のときからその件は言ってあって、それでも採用してくれたし、仕事の内容も好きだし、多少ブラック企業かなとは思うけど、かなり満足した仕事環境です。
ルームシェアしていた友達が彼氏と一緒に住むからと出て行って、、このままじゃ家賃が高いなぁって思ってたところに転がり込んできた、後藤くん。高校の同級生だったから、彼が彼女になってたことにびっくりはしてたけど、でもそれなりに「みき」の存在を認めるようになってくるところが面白いんです。
「小川は みきは、何処に出しても恥ずかしくない、俺の大切な友達だ!」
物分かりがよさそうなふりをしていて、実はマウンティングしてくるオハイソ男にこう言い放った後藤くんはカッコいいねぇ!
みき自身、こんな生活ができるのは若い間だけって思ってるけど、そんなことないと思うなぁ。確かに世間にはトランスジェンダーっていうだけでディスってくるような嫌な奴もいるけれど、そうじゃない人も確実に増えてるんだから、ずっとずっと、このままでいいと思うなぁ。
突然やってきた後輩の高山田くんみたいに、自分でも理解できていない人の心の内をズバッと言い当ててしまうみきってすごい人だもの。そんなあなたをわかってくれる人はちゃんといるから大丈夫!
これからも、おしゃれして、美味しいものを食べて、楽しく生きて行ってね!
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