『結婚相手は抽選で』 垣谷美雨
少子化対策のため「抽選見合い結婚法」が施行されることになった。相手が気に入らない場合は断ることができるが、三回パスしたらテロ撲滅隊送りになる。だが、この強制的な見合いに、モテないオタク青年は万々歳、田舎で母親と地味に暮らす看護師は、チャンスとばかりに単身東京へ。慌てて恋人に結婚を迫るも、あっさりかわされてしまう女性もいて…。それぞれのお見合い事情をコミカルかつ、ハートウォーミングに描いた長編小説。(書籍案内より)
以前読んだ「七十歳死亡法案、可決」も衝撃的な法律の話でしたけど、この作品に登場する「抽選見合い結婚法」というのも、なかなか面白いところに目を付けたなぁと思うのです。少子化対策として、25歳~35歳でなかなか結婚しない(できない)人たちに強制的に見合いをさせて結婚させようという法律が可決し、強制的に見合いをさせられることになってしまった男女の悲哀というか、ぼやきというか、これが日本の現実だというものが色々と登場します。
自分はブスだから結婚できないと信じ込んでいた女性。逆に自分はキレイなんだからもっと素敵な男性がいるはずと高望みしている女性。女性と話をすることもできないオタク。まぁ、いろんな事情で結婚できずにいるわけです。だから見合いをしてもすぐに断られてしまったり、せっかくデートに行っても話が合わなかったり、自分は気に入ったのに母親に反対されたり。いろいろと大変なんです。
でも、これがチャンスだと思った人もいるんです。自力で結婚相手を見つけることができない自分にとって、これを逃す手はないってね。
相手から断られるのは何回断られてもいいんですけど、自分から断る場合は3回までという規則が面白いんです。「テロ撲滅隊送り」という半ばシゴキの場所に送られてしまう人もいれば、医療従事者ならば僻地で仕事をするように「島送り」されるとか、こういう懲罰を逃れるために、相手から断ってもらおうとあの手この手を使うセコい人もいます。実際にこんな法律があったら、きっとそういう人いるだろうなぁ。
少子化対策がいろいろと語られていますけど、これといった打開策が見つからない今、「抽選見合い結婚法」ってそんなにとんでもないアイデアではないって思えてくるのです。
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