『わが家は幽世の貸本屋さん 6 無二の親子と永遠の約束』 忍丸
俺の人生の転換点は何度かあった。ひとつは!幸運を呼び込む掛け軸”と呼ばれ、付喪神になったこと。二度目はそう・・・人手に渡って、ある偏屈なジジィと出会ったことだ
実のところ、東雲の中にあった”本物”への渇望は薄れていた。
今の自分は・・・夏織にとって”本当の”父親に慣れていると感じていたからだ。愛する娘を置いて逝く事実は寂しくもあった。だが、なによりも自分の中ではぐくんできた物語への期待感でワクワクしていたし・・・。
命が燃え尽きる瞬間に新しい物語を生み出すなんて、ものすごく”かっこいい”じゃねいか、なんて思っている。(本文より)
突然貸本屋の引継ぎをするって東雲さんから言われて、夏織さんはビックリしてます。だって、自分がこの家に来るずっと前から貸本屋をしてたんだから、お客様の数も多いし、どんな本が店にあるのかもちゃんと把握しなければならないし、大事だわ!
東雲さんは文筆の方に力を入れたいからっていうけれど、本当にそれだけなのかしら?確かに最近体調は良くなさそうだけど、東雲さんは付喪神だから、彼が死ぬなんてことを夏織はこれまで考えたこともなかったんだろうなぁ。
水明とは、いつか結婚するだろうなぁって思ってるけど、まだ具体的な段階じゃないし、とにかく貸本屋の仕事をしっかりしないと!というのが今の夏織の気持ちです。
今まで知らなかった、この貸本屋がなぜできたのかという話、そして東雲さんが付喪神になった掛け軸の話、いろんな秘密が明かされていくのが面白くもあり、これで最後かと思うと名残惜しくもあり。
また、いつの日にかこの続きの物語を読むことができたら嬉しいなと思うのです。
ここは、初代曲亭馬琴、次代東雲、三代目村本夏織が作り上げた幽世唯一の貸本屋です!もちろん本の品揃えも幽世で一番!面白い本が読みたいっ!泣ける話でさっぱりしたいっ!本がないと夜も眠れない!そんな時に必要な店。・・・そうっ!
#わが家は幽世の貸本屋さん #NetGalleyJP
2261冊目(今年281冊目)
わが家は幽世の貸本屋さん あやかしの娘と祓い屋の少年
わが家は幽世の貸本屋さん 2 偽りの親子と星空の約束
わが家は幽世の貸本屋さん 3 黒猫の親友と宝石の涙
わが家は幽世の貸本屋さん 4 春風の想いと狐面の男
わが家は幽世の貸本屋さん 5 残月の告白と妖しい秘めごと
わが家は幽世の貸本屋さん 6 無二の親子と永遠の約束
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