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『「婚活」がなくなる日』 苫米地英人

「婚活」がなくなる日 結婚=幸せという洗脳

苫米地英人(とまべち ひでと)

主婦の友新書

最近、「男性にも婚活が必要だ」とあおる人たちがいますが、婚活女性が望む条件を持つ男性は、婚活をしなくても結婚相手が見つかります。それも、婚活しない女性の中から相手を見つけているのです。
そう、女性が一番結婚したい男性は、婚活しないのです。社内や紹介などでさっさと相手を見つけ、結婚してしまいます。逆に婚活しようかと考える男性は、女性の厳しい条件には合致しないことが往々にしてあるようで、婚活マニュアル本では「妥協する」ことをすすめています。これでは、女性の条件に合わない男性はまるで最初から「きずもの」であるかのような扱いで、ひどい話ではあります。就活で企業と学生が陥っている負の関係同様、婚活する女性と男性の間でマッチングの不適合が起きているという、皮肉な現象があるのです。(p52)

 わたしの友人にも婚活で結婚相手を見つけた人がいます。付き合っている人がいたのにお見合いをした相手と結婚した人も何人もいます。その理由を聞くと、「親が結婚しろとうるさいから」「付き合う人と結婚する人は別だから」「交際する相手が見つけにくい職場にいたから」などという理由を聞いて、わたしはいつも「よくわからないなぁ」と思っていました。

 結婚するなら「三高」というような条件を信じて、本当にそういう人を見つけたけれど、付き合ってみたら自分のことしか考えていないナルちゃんだったので別れたという人もいました。一流企業に勤めている正社員と社内恋愛で結婚したけど、数年後に彼のギャンブル依存症に気付き、彼の実家の両親に相談したら「昔からそうだった」と言われて、呆れて離婚した友達もいます。

 「そこそこの歳までに結婚しなければならない」という呪縛は、実は洗脳なんだなっていうことがこの本を読むととてもよく分かります。でも世間では、結婚しなければならない理由が「永久就職」や「世間体」と考えている人が意外と多いのにビックリしてしまいます。

政治家や官僚は、ふくれあがった国家予算や借金を既得権のように考え、税収がほしいから「少子化が問題だ」と宣伝している。(p118)

 結婚しなければならない理由として「少子化を何とかしなければ」というのがよく取り上げられますけど、よーく考えると不思議なんです。世界は人口が増えすぎてそれをどうしようか?と考えていたはずなのに、「少子化対策のための結婚」ってどうなの?って思います。

 単に少子化だけの問題なら結婚しなくったって子どもが増えればいいのですよね。未婚であっても子供を育てやすい社会であればいいはずです。同性婚のカップルが親がいない子供を育てたっていいはずです。でも、それじゃダメだっていうのは何故なんでしょう?

 

 個人もそうですけど、日本社会全体が洗脳されてしまっているんじゃないかしら。これまでのルールを守ることだけに必死になっているのはどうもオカシイのです。これまでのルールって言ったって、明治維新以降とか第二次世界大戦後とか、たかが100年の間に作ってしまったルールを一生懸命守るために、国民を洗脳し続けている日本っておかしな国です。

 江戸時代の町民や農民のほとんどの女性が働いていたことも、結婚しなくても大丈夫だったことも、親がいなくても周りの大人が子供を育ててきたことも全部隠して、武士の家庭をモデルケースのように見せているのってどうもオカシイ!

 

占いは「信じるから当たる」
占いよりはるかに危険なスピリチャルリズム(p69)

 占いやスピリチャルリズムもまた、洗脳の手段として使われているという苫米地先生の論理は強烈ですね。理屈なんかまったくなくても「信じるから当たる」というのは、その通りです。占いで「あなたは普段は強気を装っていますが、実は繊細な心の持ち主ですね」なんていう誰でも「そうそう!」って言えるような答えを用意しているんだっていうこと、みんなわかってないのかなぁ?

 これまで自分が信じてきた「当り前」「普通」みたいなものが、実は「根拠なき思い込み」だって気が付いたら、随分楽になれるんじゃないかしら?

 なぜ結婚しなければならないの?どうして、それをやっちゃいけないの?わたしにはそれが無理だって、なぜわかるの?そういう子どものように素直な疑問を持ち続けるって大切なんです。大人だから分別がなければいけないなんて、それこそが思い込み!


 苫米地先生は決して結婚するなと言っているわけではありません、間違った価値観に基づいた結婚相手の探し方は止めようよと言っているだけなのです。

 自分は何をしたいのか?何をしたくないのか?

 自分のことなんだから、ちゃんと考えようねってことなのだと思います。

2292冊目(今年312冊目)

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