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『長めのいい部屋・かわうそ天然気分』 フジモトマサル

長めのいい部屋・かわうそ天然気分

フジモトマサル

中央公論新社

 この本は前から読むと、動物たちが暮らす街をのどかでコミカルに描いた『長めのいい部屋』、後ろから読むと、よろず修理工房で働くかわうそくんと仲間たちの日常を描く『かわうそ天然気分』です。

 フジモトさんが描く動物たちはみんな見た目はかわいけど、ちょっとずつクセものなんです。真面目なんだけど変なことばかり考えていたり、褒められたいくせに実際に誰かから褒められたらドキドキしちゃったり、普段はウソばっかりついているのに時々ホントのことを言ったり。

 ペンギンの置物を集めているシロクマさんや、新入社員のウサギさんが気になっているかわうそくん、家具屋さんで女の子をナンパしているねことか、わたしたちの日常にもあんな人いるよねぇっていう感じで「うふふ」と思わず笑ってしまうのです。

 「ゲラゲラ」ではなく「うふふ」なところが、実にいい感じなのです。

2278冊目(今年298冊目)

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