『活版印刷三日月堂 4 雲の日記帳』 ほしおさなえ
その人の思い、記憶、夢だけはその人とともに消える。その人だけのものなんです。形のない夢だけがその人の持ち物なんですよ。だから、大事にしなくちゃいけない。同じ夢を持った人。こんな縁はそんなにないでしょう!
まずは思いを告げてもいいんじゃないですか。先のことはあとで考えればいい。一度しかない人生なんだから・・・(本文より)
三日月堂に関わる人たちは、最初は気づいていなかった自分の夢に驚くのです。これまでは自分に自信がなかったし、自分に何かができるなんて思っていなかったし、だけど、自分にも小さな夢があったということに気付くのです。これまでなら無理だと思っていたことが、自分の思い込みだったんだということに気付くのです。
「こんなことをしたい」「手伝ってもらえますか」そう言ってみるだけで、夢に一歩近づくのだということに気付く場所。それが三月堂なのです。
「大丈夫だよ、なんとかなるさ」と言ってもらえるだけで救われるのですから。
この4篇が収められています。
・星をつなぐ線
プラネタリウムの星空館がリニューアル記念に、昔「木口木版」で製作された星座早見盤の復刻版を作成しようという企画が三日月堂に持ち込まれました。
・街の木の地図
大学のゼミでグループ制作の課題として雑誌を作ることになっているのですが、このグループはてんでバラバラで、このままで雑誌ができるのかどうか不安なまま、川越へ取材へ行ったのです。
・雲の日記帳
大学のゼミで作成した雑誌は、浮草という古本屋さんで展示・販売されました。この店の店主である水上さんは、店番をしながら「浮草だより」というお店の紹介をする小冊子を作っています。
・三日月堂の夢
水上さんが書き溜めた文章をまとめて本にしたいと友人が持ち掛けたのですが、水上さんは嫌だというのです。でも、なぜ嫌なのか理由を教えてくれません。
2283冊目(今年303冊目)
活版印刷三日月堂 1 星たちの栞
活版印刷三日月堂 2 海からの手紙
活版印刷三日月堂 3 庭のアルバム
活版印刷三日月堂 4 雲の日記帳
活版印刷三日月堂 5 空色の冊子
活版印刷三日月堂 6 小さな折り紙
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