『ヘンテコノミクス』 佐藤雅彦 菅俊一 高橋秀明
わたしたちがお金を使う時、本人の自覚としては、それが安いとか、ずっとそれが欲しかったのだと思ってますけど、実は自分では気が付かない心理が働いています。この本では、その心理をわかりやすく説明してくれています。
例えばポテトチップスを買おうとしたときに、「これまでの90%の油を使用しています」というのと、「これまでより油の使用量を10%減らしています」という説明があったとして、どちらが買う人に訴える力があるでしょう?言っていることは同じだけれど、「減らしている」という言葉が含まれている方が、「そうか、油が少ないんだ!」と理解しやすいんです。
通販などでも「お買い上げ○○円以上なら送料無料になります」というような表示もよく見ますよね。その額をクリアするために余計なものを買ってしまうということ、ありませんか?
一見お得にみえて、それってホントにお得なの?ということが世の中にはたくさんあります。それを考えないで「あらお得、コスパがいい」なんて散財してしまっていませんか?
別にそれを買わなくったって困らないとか、今買わなくてもいいとか、冷静にならないといけないんだけど、購買意欲を刺激する戦略にまんまとはまってしまうから、気が付いたら家の中にいらないものがいっぱい溜まってたということになってしまうんです。
でも、思い込みをさせる戦略は悪いことばかりではありません。これをうまく利用すれば勉強するモチベーションになったり、困ったことを止めてもらうことができたりもします。
新しい思い込みをすることで古い思い込みを解除できれば、これまで無理だと思っていたことができたり、何かに固執する必要がないということに気付けたりします。
これまで信じていたことがただの思い込みだったと気付くヒントをたくさん与えてくれる本でした。
2284冊目(今年304冊目)
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