『脳と人工知能をつないだら、人間の能力はどこまで拡張できるのか』 紺野大地 池谷裕二
脳と人工知能をつないで「脳を改造」したら、何が起こるのか?(本文より)
脳と人工知能をつないで凄いことをしようとしている人が大勢います。身体が動かなくても、頭にこうしたいと思い浮かべるだけで道具を使うことができるようになったり、見えなかったり聞こえなかったりする人が、この技術で視覚や聴覚を取り戻すことができるという技術を研究している人たちがいるのです。
義足、義手、車いす、人工内耳、ペースメーカー、もっと身近なものでは眼鏡や補聴器のように、この技術が使えるようになったら、どんなにすばらしいでしょう!
そして、この技術が健康管理にも使えるというのが、これまた素晴らしいのです。病院へ行って検査しなくても自宅である程度の診療ができてしまえば、より重篤な病気にならないで済みます。認知症なども早期に発見できれば、進行を止めることができます。未来ではこれも治療できる病気という扱いになるのかもしれません。
科学は人間によって行われる営みであり、そこに理解が必要だという考えはもっともだと思います。ですが、この先も科学は進歩していきます。「今の人類には理解できないけれど、科学が進歩した未来の人類には理解できるかもしれない」という希望を捨てず、「現時点で理解できないこと」を切り捨ててしまわないこともまた重要ではないでしょうか。
人工知能が様々なことを解析していくと、わたしたちには理解できないことを見つけ出すでしょう。偶然に発見されたペニシリンが人類を救ってくれたように、最初はそれが何故そうなっているのかがわからなくても、きっとそれが役に立つものだと信じることも大事なのだと思います。
人工知能がノーベル賞を目指すプロジェクト「ノーベルチューリングチャレンジ」のような、人工知能とともに歩もうとする人たちの努力の結果が示されるのは、きっと近い未来なのだと信じたいです。
今までイーロン・マスクってテスラとスペースXのCEOという認識しかなかったのですが、Neuralink という「神経科学をテクノロジービジネスと組み合わせる」素晴らしい会社も経営しているということを初めて知りました。彼は常に未来を考えている人だったのですね。
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