『みつばの郵便屋さん』 小野寺史宜
平本秋宏さんはみつばという町の郵便配達員です。郵便配達って単純な仕事だと思われがちだけど、意外といろんなところに気を使っています。雨の日には濡らさないように、風の日には飛ばされないように、間違った宛先へ届けてしまわないように、バイクで配達しているから交通事故に気を付けて、そして転倒事故を起こさないように。
郵便物を配達しているうちに知り合った人たちとの何気ない会話から、秋宏さんがいい人だなぁって感じが伝わってきます。
特に大きな事件が起きるというわけではないんだけど、その普通さがいいなぁて思います。
大学を出ていい会社に入ってというのでもないし、何か大きな夢を追っているというのでもないし、普通の人の暮らしってこういうものなんだよねって思います。
そりゃ、嫌な上司もいるし、彼女いないし、でも不幸ってわけじゃない。淡々と毎日を過ごすっていいじゃないですか。
ありふれた日常って、実は一番大事だなって思えてきました。
2285冊目(今年305冊目)
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