『ホケツ!』 小野寺史宜
大地くんは、みつば高校サッカー部に所属している。中学生のときからサッカーをやっているのに、高校3年になってもホケツだけど、サッカーを嫌いになったりはしない。
幼いころに両親が離婚して母親と暮らしていたんだけど、その母が亡くなって、今は母の姉の絹子伯母さんと暮らしている。父親とはずっと前に別れたきりだから、どんな顔だったかすら思い出せない。
大地くんは、頭がいいとか、運動神経がいいとか、イケメンだとか、そういうんじゃないけど、みんなから信頼されている。だから頼まれごとをすることも多いし、それを嫌だなぁって思ったこともない。
「嫌なら断っていいんだよ」とか、「もっと主張しなよ」と友達や伯母さんは言うけれど、そういう気持ちが湧いてこなくて、どうしてみんなはそんなに自分のことを心配してくれるんだろうって思ってしまう大地くんです。
友達の郷太くんがお母さんから言われた「プロの選手になれるわけでもないのに、サッカーをして意味があるのか?」という言葉はとんでもないなぁ。そんな暇があったら勉強しろって言いたいんだろうけど、それはないよね。
上手くなくても好きだからやっていることを、そういう風に言われるのって許せないなって思うよね。
大地くんの伯母さんは、絶対にそんなことを言わない。それは、大地くんをひとりの人間として認めているからなんだろうなぁ。大地くん自身もそれをわかっているから、伯母さんのことを大事に考えている。
レギュラーじゃなくても、秀才じゃなくてもいいんだよ、いつでも優しい気持ちで友達と接することができるから、みんな大地くんを信頼してくれるんだ。
2329冊目(今年28冊目)
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