『紙屋ふじさき記念館 3 カラーインクと万年筆』 ほしおさなえ
お正月をお祖母さんたちと過ごすために、百花さんたちは飯田にあるお母さんの実家へ行きました。そこでお祖母さんが昔、内職で水引の小物を作っていたということを初めて知りました。お祖母さんに習いながら水引を結ぶうちに、百花さんはその魅力に引き込まれてしまったのです。
ふじさき記念館で扱っているのは主に紙なのですが、この水引のように立体物を作るのも面白いなぁと百花さんは気づきました。そして水引の花や動物たちをつるし雛のように飾ることを思い付いたのです。
やっぱり百花さんはこういうアイデアを考え出せる人なんですね。お祖母さんの力を借りて、また新しいことを始めました。
いまはメールもあるし、便利な筆記用具もあるけど、わたしたちはわざわざインクで書くことを勧めている。なぜか、というと、やっぱりそれがなによりうつくしいと思うからです。手間をかけても、届けたい思いがある。メールで長く書くより、ペンで書いた方が伝わることもあるでしょう(第三話 より)
インク屋さんの企画に関わることになり、百花さんは万年筆やガラスペンと出会って、これもまた新しい発見がたくさんありました。そして、手書きの文字にも興味が湧いてきました。
この本を読んでいる間中、登場するペンや水引などのイメージが頭の中いっぱいに広がって、とっても幸せな時間を過ごすことができました。わたしも文房具屋さんへ走らなくっちゃ!
この3編が収められています。
第一話 結の里
第二話 水引の雛飾り
第三話 カラーインクと万年筆
2309冊目(今年8冊目)
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