『うたうおばけ』 くどうれいん
「玲音さんのレインはどんな雨ですか?わたしは晴れた海です。ぴかぴかの晴れ」
晴美は大勢の人の間を縫ってわたしの隣に座ってそう言った。(ひとり占め より)
玲音さんの日常が切り取られて文章になっているだけのはずなのに、その光景がどれも目に浮かぶような気がするのは何故なのだろう?
付き合っていた男にフラれてしまった友達が喪服を着て「葬式」をするって言って、それに「そうしよう!」って賛同してくれる友達がいるっていいなぁ。ホントは悲しいんだけど、それを吹き飛ばしてやるぞ~って、友達と一緒に黒い服を着てラーメン屋へ行くのって、なんだか羨ましい気がする。きっとこれで心の中のケリがつくよねって思える。
友達から、玲音さんの「勇ましく駆け抜けていく感じがエリマキトカゲを連想させる」と言われて、なるほど~と思う所で、彼女の友達もステキな感覚を持ってるんだな、そういう友達がいるっていいなって、ニヤニヤしてしまいました。
玲音さんは学生時代から短歌や俳句を書いているから、誰かから発せられたことばに敏感に反応します。気に入ったことばなら、何度も反芻します。いい響きだな、そういう感じだよねって。
毎日、少しずつことばを集めていくのって、なかなか楽しそうです。
2312冊目(今年11冊目)
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