『HEATBEAT』 小路幸也
高校時代に付き合っていたヤオとの約束を守るために、ぼく(委員長)は10年ぶりに日本に帰ってきた。でも待ち合わせ場所には彼女の夫だという男が待っていて、彼女が失踪してしまったので、代わりに来たと言われた。
大きなお屋敷に住む裕理(ひろまさ)くんは、祖父の「幽霊が出た」と叫ぶ声で目が覚めた。その幽霊は亡くなってしまった裕理くんの母親だというのだ。
委員長は高校の同級生だった巡矢に相談し、ヤオを探し始めます。そして、2つの話は少しずつ重なっていくのです。
最近の小路さんの作品とは全く違う感じのサスペンスなんですけど、裕理くんが住む家には大勢の人が住んでいて、登場人物がやたらと多いあたりはバンドワゴンと通じるものがあります。謎解きに参加してきた裕理くんの友達が、一家の一覧表を作っていたのには笑ってしまいました。
人の思いというのは、その人を憶えている人の中にだけ残るものなのでしょうか?その思いが何かの形に変わるということがあるのでしょうか?その思いが幽霊という形で存在したら、それを怖いと思う人もいるし、それを嬉しいと思う人もいるかもしれません。
巡矢はどんな気持ちで委員長とともに行動していたのかしら?
2341冊目(今年40冊目)
« 『人のセックスを笑うな』 山崎ナオコーラ | トップページ | 『天国からの宅配便』 柊サナカ »
「日本の作家 さ行」カテゴリの記事
- 『まとまらない人』 坂口恭平 24-292-3318 (2024.10.13)
- 『生きのびるための事務』 坂口恭平 24-286-3312(2024.10.07)
- 『代替伴侶』 白石一文 24-289-3315(2024.10.10)
- 『第二音楽室』 佐藤多佳子 24-278-3304(2024.09.29)
コメント