『女子漂流』 中村うさぎ 三浦しをん
うさぎさんとしをんさん、お二人とも中学校から中高一貫の女子校に通っていたという所は同じなんだけど、基本発想が全く違うんです。うさぎさんは女子力全開で、いかにしてモテるかを考え続けてきた人なのに対して、しをんさんはマンガオタクで男子にモテるなんてことは眼中にない人でした。この正反対に見える二人が話を始めると、妙に話が合ってます!
女子高のいい所は、男女格差を考えずにいられるという所だと、うさぎさんは分析しています。女しかいないから男に頼るという発想が湧かない学校生活を送っていて、大学へ進学してから世間には男に頼ることが当たり前だと思っている女が多いのにビックリしたのだそうです。
女子高と言っても、お二人とも進学校だったので、より偏差値の高い大学へ進学しようという教育方針だったのだそうです。でも、結婚したら家に入ってという指導もしていて、この二つって矛盾してるんですけど、それを実践している人が多いのにもビックリなのです。
よりよい男を捕まえるために女子力を高めてって思ってきたのに、自分がやってきたことって単なる勘違いじゃなかったのか?と気がついたうさぎさん。自分は男にモテないし、そのために努力する時間があったらマンガを読んでる方がいいって割り切っているしをんさん。両極端な生き方のようでいて、実は似てるのかな?この二人。
「文庫版あとがき」に、この本が出版されたころは元気だったうさぎさんが、今は車椅子生活なのだとに書かれていました。最初は絶望したけど、今はそれなりに生きてるよっていう強さが、やっぱりうさぎさんらしくていいな!
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