『「リング」に立つための基本作法』 オカダカズチカ
図書館の新刊コーナーにあったこの本、思わず手に取ってしまいました。そして、ここに書かれているオカダの言葉がまるで中谷彰浩さんの言葉のようでビックリしたのです。
オカダはプロレスラーになりたくて、中学校を卒業してすぐに登龍門に入門しました。現在は新日本プロレスの顔である彼にとって、修業時代にプロレスのことだけ考えてトレーニングや試合をやってことが、今の自分を支えているというのです。
「プロレスラーはカッコよくあれ」(ウルティモ・ドラゴン校長のことば)
比較的小柄な選手が多い登龍門で、長身のオカダは「動ける馬場さんになれ」という言葉をもらったそうです。その言葉の意味を真剣に実行しているのが現在のオカダなのです。
現在は新日本プロレスに在籍していますが、メンターとしてウルティモ校長の存在はとても大きいものであることが、この本の中で語られています。プロレスラーという危険な職業をしている以上、何が起こるかわからないのです。自分のことも、対戦相手のことも、ちゃんと考えること。でも、なるようにしかならないこともたくさんあるのです。だから必要以上に責任を感じなくていいのだということ、そういうことをウルティモ校長は常に教えてくれるのです。
オカダは日本のプロレス界ではトップの座にいますけど、それだけで満足はしていません。サッカーや野球のように、すべての人から評価されるわけではないプロレスの地位をもっと上へと考えているのです。メキシコのルチャリブレのように、みんなのヒーローとして受け入れられる日を夢見ているのです。
自分の言いたいことだけを言っているのではなく、相手の言い分を聞くことが大事なように、プロレスでは自分の技を出すだけでなく、相手の技をちゃんと受け止めることも大事なのです。その面白さを、より多くの人に見てほしいから、オカダはこれからも戦い続けるのでしょう。
2378冊目(今年77冊目)
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