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『でえれえ、やっちもねえ』 岩井志麻子

でえれえ、やっちもねえ

岩井志麻子(いわい しまこ)

角川ホラー文庫

 「でえれえ、やっちもねえ」は岡山弁で「本当に、悪い」という意味だそうです。

 表紙の絵は、あの「ぼっけえ、きょうてい」と同じ甲斐庄楠音(かいのしょうただおと)の「幻覚」です。これも怖い絵ですねぇ!

 

 お化けとか、天災とか、怖いことやものはいろいろあります。でも、一番怖いのは人間なのです。おかしな思いを胸の中に抱いていて、それがとんでもないことだと思いもしない人、そういう人が一番怖いのです。

 自分は正しいと信じているから、人の話など信じるわけもないし、本当はしょうもない人のことを「わたしにだけは本当の心を見せてくれる」なんて勘違いをしてしまう人がいるのは、いつの世でも同じなのです。

 とんでもないことをしでかしても、それが世間にばれなければいいのだと思う人もいるし、誰が何と言おうと「わたしだけが正しい」という人もいるのです。

 岩井さんが描く女たちは怖い。そして彼女たちをそうさせた男も怖いのです。

 

この4篇が収められています。

・穴堀酒
 女は人を殺して刑務所に入っていました。恩赦で世間に戻ってきた時、時代は昭和になっていました。

・でえれえ、やっちもねえ
 明治10年代に大流行したコレラは、岡山でも患者が増えていました。

・大彗星愈々接近
 明治43年(1910年)にハレー彗星が地球に大接近するということで、いろんなデマが飛びました。

・カユ・アピアピ
 幼い子を可愛がり過ぎると、しょうもない大人になるという言い伝えがあります。

 

2373冊目(今年72冊目)

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