『展覧会の絵 ムソルグスキー友情の組曲』 アンナ・H.セレンザ 文 ジョーアン・E.キッチェル 絵
展覧会の絵 ムソルグスキー友情の組曲
アンナ・H.セレンザ
Anna Harwell Celenza 文
ジョーアン・E.キッチェル
JoAnn E. Kitchel 絵
藤原千鶴子(ふじわら ちづこ) 訳
評論社
「ああ、ハルトマン」ムソルグスキーはため息をついた。「君の最高の傑作、偉大なロシアと、全能の神へのささげものになるはずだった」(本文より)
ムソルグスキーとハルトマンは親友でした。ある日ハルトマンが頭が痛いというのに、ムソルグスキーはそれを無視してしまいました。翌日、ハルトマンは動脈瘤で亡くなってしまったのです。そのショックでムソルグスキーは引きこもってしまいました。そんな彼を見た友人が、ハルトマンの遺作展へ連れ出したのです。
ハルトマンは建築家でしたが、素晴らしい絵もたくさん残していたのです。その絵を見てムソルグスキーは感動し、ピアノ組曲「展覧会の絵」を作曲したのです。当時、さほど話題にならなかったこの曲ですが、ラヴェルがオーケストラ用に編曲したことで多くの人に知られるようになりました。また、ホロヴィッツ編曲のピアノ演奏も、この曲が世界に広まる一因でもあったそうです。
わたしにとっての「展覧会の絵」はエマーソン、レイク&パーマーのものなのですが、この組曲の最後の曲「キエフの大門」がとても印象的だったのです。
ウクライナの首都キエフが攻撃を受けているというニュースを聞いて、まず思い出したのがこの曲なのです。東ヨーロッパ最古の都市であるキエフは地政学上とても重要な場所にあり様々な歴史がある土地なのですね。
とにかく戦争が早く終わってほしいと願う毎日です。
2366冊目(今年65冊目)
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