『ビブリア古書堂の事件手帖 1 栞子さんと奇妙な客人たち』 三上延
子どもの頃にお祖母ちゃんの部屋の本を勝手に見て怒られて以来、大輔は本を読めなくなっていました。その祖母が亡くなり、家にある本がいくらぐらいになるのか調べようと鎌倉の古書店を訪れました。店番をしていたのは若い女性で、今店主は入院しているので、病院へ本を持って行ってくれればそこで査定してくれるというのです。
病院で本の話をするうちに、なぜか古書店のバイトをする話になってしまったのです。店長さんがきれいな人だったので、つい「やります」と言ってしまった大輔は次の日から「ビブリア古書堂」の店番をすることになったのです。
店長の栞子さんは、人見知りで余り話をしない人なのですが、預かってきた古本を見せると饒舌に語り始めるのです。話を聞いているだけで本が好きなのだということが、ひしひしと伝わってきて、大輔は彼女の話を一生懸命に聞くのです。
この4冊の古書を巡る話が収められています。
・夏目漱石『漱石全集・新書版』(岩波書店)
・小山清『落穂拾ひ・聖アンデルセン』(新潮文庫)
・ヴィノグラードフ・クジミン『論理学入門』(青木文庫)
・太宰治『晩年』(砂子屋書房)
せどりをしながら暮らしているホームレスの志田さんと、高校生の小菅奈緒の話が面白かったなぁ。不思議な出会いだったけど、この2人はこれから「ビブリア古書堂」の常連になりそうな感じです。
大輔くんは、栞子さんの力を借りて、少しずつ本を読めるようになっていくのかしら?
2355冊目(今年54冊目)
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