『図書室のはこぶね』 名取佐和子
野亜高校3年生の百瀬花音(かのん)身長178cm、女子バレー部のエースだけど足のケガで、最後の試合に出ることもできずに引退。1週間後の体育祭にも出られず残念な状況です。生徒全員が体育祭の準備に追われるので、図書委員の代行として、この学校に入学して初めて図書館へやってきました。
そこで出会った俵朔太郎くんは、見るからにひ弱な感じの子で、こいつと1週間一緒に図書館の仕事をするのか~と、残念な気持ちになった花音さんでした。
野亜高校の体育祭の最大の出し物は「土ダン(土曜のダンス)」です。ベイシティ・ローラーズの「Sturday Night」をクラス単位で踊るので、この時期は踊りの練習や、衣装合わせでみんな忙しいんです。
なぜかバスタオルを巻いて必死になって図書館に飛び込んできた1年生、奈良美樹(よしき)くん。悩みを抱えた生徒会長。司書の伊吹さん。花音さんの担任の国語教師和巳ちゃん。最初はバラバラだったみんなが、少しずつ絡んでいくところが面白いです。
物語のキーになるのが「飛ぶ教室」というところも図書館らしくていいですねぇ。
この図書館には書籍検索の機械があって、その中の「本ソムリエ」という「どんな本を読んでいいのかわからない人のため」のメニューがとても面白いんです。これが薦めてくれた、悩みを抱えた生徒会長さんへの「火星の話」、美樹くんへの「玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ」どちらも面白そうな本です。
どちらもぜひ読んでみたいです。
たった7日間の物語だけど、学校の歴史とか、友達との関係とか、いろいろと考えさせられたり、学生時代を思い出したり、とても楽しかったです。
土曜のダンス、わたしも一緒に踊りたい!
・月曜の本
・火曜のパソコン
・水曜の蔵書検索
・木曜のハンバーガー
・金曜のホワイトボード
・土曜のダンス
・日曜の図書室
#図書室のはこぶね #NetGalleyJP
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