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『国境のない生き方 私をつくった本と旅』 ヤマザキマリ

国境のない生き方 私をつくった本と旅

ヤマザキマリ

小学館新書

 ビオラ奏者のお母さんはマリさんのことを音楽家にしたかったのだろうけど、彼女が目指したのは絵画でした。絵描きになったって貧乏するだけだよとひたすらに脅されたけれど、そんなものにはびくともしないマリさんを、えいやっとヨーロッパへ送り込んだお母さんの決断はすごいなぁ!

 イタリアで絵の勉強をしながら、マリさんが本当に鍛えられたのは芸術や社会に対する眼だったのです。たぶん日本にいたら、こういう部分が鍛えられることはなかったでしょう。イタリア人と言葉で格闘するって想像を絶することだけど、若かったし、ここで生きるしかないと覚悟を決めていたからこそ生き延びてこられたのでしょうね。

 小説も、映画も、絵画も、すべてが魅力的で、知れば知るほど深みにはまっていく生活だったからこそ、今のマリさんがいるのだなということが分かりました。

今、いろんなところで戦争が起きていますよね。
それも少年少女に自爆テロをさせたりとか、やられたらやりかえすみたいな、いつまで経ってもらちがあかない、終わりの見えない暴力の応酬。それこそ大昔にヒッタイト人たちがやっていたみたいな、こん棒でひたすら殴り合うみたいな戦争をいまだにやり続けているのは、なぜなのか。突き詰めて考えれば、これも想像力と寛容性がないからだと思うのです。(本文より)

 自分勝手な考え方しかできずに暴力をふるうのは、想像力と寛容性が不足しているからなのでしょうね。どれだけ権力を持とうと、お金を持とうと、心のうるおいが足りないから暴力に訴えてしまう人が、一人でも減って欲しいと祈るばかりです。

2359冊目(今年58冊目)

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