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『世界100年カレンダー』 河合雅司

世界100年カレンダー
少子高齢化する地球でこれから起きること

河合雅司(かわい まさし)

朝日新書

人口規模の激変が世界のパワーバランスを変えてきたことは、歴史が証明している。近代史を振り返るだけでも、18世紀後半には産業革命と農業改革によって、「多産多死」から「多産少死」へと移行したヨーロッパ諸国が急速に人口を増やし、その力を背景として植民地獲得競争に乗り出していった。(p114)

日本の人口の縮小の速さを、社人研の「人口統計資料集」(2021年)が出生率、死亡率一定という条件下で機械的な推計を試みているが、日本人はわずか200年後の2220年に1026万8000人となる。現在の東京都の人口よりも少ない水準だ。300年後の2320年には275万1000人にまで減る。これは現在の大阪市とほぼ同じ人数だ。ここまでくると、国家として存続するのか怪しくなる。(p133)

 このまま放っておいたら、日本の人口は後200年で、現在の10分の1になってしまうというというのは、実に衝撃的な数字です。現状維持だったらこうなるけど、もしかしたらもっと減少するかもしれないんです。だって、子どもを持つこと以前に、結婚することすら無理だと思っている若者が大勢いるんですもの。

 

米国の場合、自然増減だけでは人口の趨勢を見極めることはできないということだ。少子高齢化に伴う人口の目減りがあっても移民の流入がそれを補い、むしろ人口を増やしていけるのである。(p191)

ブルッキングス研究所は、2045年には全年齢でも白人人口は総人口の49.7%となると予測している。かねて、「いつかは、白人がマイノリティ(少数派)になる日が到来する」と言われてきたが、その転換点がいよいよ現実的なスケジュールとして認識できるようになってきたということである。(p204)

 米国は人口問題は移民で何とかしようという政策ですが、白人が減っていくという現実を突きつけられると「このまま移民を増やしていったらまずいんじゃないか?」という考えも出てきます。トランプ前大統領が掲げた「壁」のような対抗策が再び登場する可能性だってあるのです。

 

人間というのは過去の成功体験が忘れられないものだ。従来の政策や手法にしがみつき、現状を維持せんがために無理を重ねる。それが結果として、事態をさらに悪化させる。
このまま進行するならば、先んじて人口減少が進む国は労働力不足に陥り、移民の争奪戦が進むだろう。すでに東アジア各国は介護人材を奪い合っている。また、生産力の衰えた世界はさまざまな資源やモノ不足に陥り、一部の国による抱え込みや囲い込みを懸念される。新たな紛争が起きかねないということだ。
だが、人々が簡単に行き交うことが可能となり、地球は小さくなった。奪い合ってみたところで、何の解決にもならないことに気がつかなければならない。(p235)

 産業革命以降、生活は便利になり、医療技術は進歩し、人間は長生きするようになり、人口が増え続けるという右肩上がりの経済をみんな当たり前だと思ってきました。

 近年、環境破壊とか少子化とかが問題になってきていますが、これは自然の成り行きなんですよね。それとどう折り合いをつけていくか?が問題なんです。

 自分の国さえよければとか、わたしだけがよければという時代ではないんです。地球が壊れないように、未来の人間が生き延びられるようにと、考えることが一番大事だと思うのですが、どうも、そう思っていない人が多いようです。だから、このままでは、みんないなくなってしまう未来しか予測できなくなってしまうのです。

 

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