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『仕事消滅時代の新しい生き方』 本田健

仕事消滅時代の新しい生き方

本田健(ほんだ けん)

プレジデント社

「決断」は、「決める」より「断つ」ことが大事(p28)

 AとBとどっちにする?という時に、いつもAだからAにしておこうとするのか、いつもと違うBにしてみようとするのか、何かを決めるということは意外と面倒なのです。どちらかを選ばないといけないと思っているからこそ悩むのです。でも、もう一つの決断方法があるのです。

 

 「両方やめる」

 

 「断つ」ことを決めるのも「決断」だと考えてみると、意外とスッキリするのは何故なのでしょう?

 

 「今付き合っている人と結婚した方がいいのか?それともそれなりな人を見合いで探したほうがいいのか?」「いつまで今の仕事を続けていくのだろう?」というようなことを悩んだ時に、いつもと違う視点から考えてみると意外なことに気づくかもしれません。

 それって、本当に自分が望んでいることなのでしょうか?実は周りからの圧力で決断しようとしていないかな?

 もしかして自分の本当の希望は、まったく違うことなのかもしれません。

 

あなたが変わらなくても、時代は変わっていく(p32)

 時代は変わっていきます。ゆっくりと変わることもあれば、突然変わることもあります。自分はその時代の流れに乗っているのでしょうか?それとも、乗っていないのでしょうか?

 自分は自分の道を行くと決めて、意図的に時代の波に乗らないのは構いません。でも、気がつかないうちに置いていかれてしまっていたら、様々な不都合が起きます。

 それまで普通だと思っていたことが、あっという間に変わってしまいます。ついこの間まで携帯電話が主流だったのに、あっという間にスマホが世の中の標準になってしまいました。新聞を取っている家庭はガクッと減り、テレビがない家もドンドン増えています。若い人にとっての10年は長い時間ですけど、高齢者にとってはあっという間。その感覚の差が怖いのです。

 以前なら、他所のお宅にお邪魔する機会があったから、そこのお宅に自分の家にないものがあったり、逆になくなっているものがあったりするのに気が付けました。友人や知合いの方とおしゃべりをすると、それぞれの関心事の違いに気がつけたけど、今はそれも減っています。自分が時代から取り残されてしまっていることに、気がつけない人が増えているのかもしれません。

 先日、中国からのニュースを見ていたら、こんなことがありました。コロナ過でロックダウンし、ネットでしか買い物ができなくなってしまった町で、スマホを使えない高齢者が買い物をできなくなってしまっているのです。スーパーマーケットへ直接行って、自分たちはネット注文をできないから何とかしてくれと訴えたけれど、それは無理だと断られているのです。

 とても怖い話です。でもこういうことが、自分が住んでいる場所では絶対に起きないとは言えません。

 今という時代を生きていくのに、こういう可能性を頭の片隅に置いておかなければいけません。自分だけは大丈夫なんて思ったら最後なのです。

2387冊目(今年86冊目)

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