『黄色い星』 カーメン・アグラ・ディーディ
ヨーロッパを支配するナチスドイツに抵抗していたデンマークで、ナチスから「ユダヤ人は全員黄色い星をつけなければならない」という命令が下った。デンマークの国王は、人びとを守るために何ができるか考え…。(書籍紹介より)
デンマーク国王は、本当に国民を愛する人でした。毎朝馬に乗って町の中を歩き、みんなと挨拶を交わしていました。そして、みんなが元気に暮らしているのを見て、幸せを感じる人でした。
第二次世界大戦になって、ナチスドイツがデンマークに侵攻してきました。ドイツと比べればデンマークは小さな国です。ナチスドイツの言うことはすべて、絶対に聞かなければならない「命令」だったのです。
ユダヤ人を排斥しようとしたナチスは、侵略したすべての国で「ユダヤ人は黄色い星をつけること」「ユダヤ人の家にはダビデの星のマークを書くこと」を命令したのです。ユダヤ人とそれ以外の人を区別することで、ユダヤ人排斥をやりやすくしようとしていたのです。
デンマーク国王の決断は、とても勇気のいることでした。でも、彼にとってのデンマーク国民とはユダヤ人かどうかが問題ではありませんでした。すべてのデンマーク人の命を守ること、それが彼にとって一番大事なことだったのです。
世界中で紛争がなくならないのは、本当に悲しいことです。自分が気に入らない相手のことなら攻撃してもいいと考える「人間の業」は実に愚かです。
それに対抗できるのは、このデンマークの王様が示したような「愛と勇気」しかありません。
とはいっても、今起きている戦争の現実を見ると、それだけでは対抗しきれないのかなとも思ってしまうのです。
読友さんのレビューを読んで、この本を読んでみようと思いました。今の時期だからこそみんなに読んでもらいたい本だと思います。
2402冊目(今年101冊目)
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