『読書のチカラ』 斉藤孝
読書には、著者からエネルギーをもらうと同時に、自身の精神的なエネルギーを吸い取り紙のように吸い取ってくれる力もある。p60
読書で自分の無駄なエネルギーを放出するという考え方は面白いですねぇ。読書する楽しみは、つまらない悩みなど吹き飛ばしてくれることもあるし、慰めてくれることもあります。ひとりでボーとしていると、つまらない考えに囚われてしまうこともあります。1冊の本が、そんな自分を助けてくれることがあるのかもしれません。
頂上にたどり着くことも大事だが、もっと重要なのは景色を見たり、道を曲がってみたりといったプロセスである。今の自分が知らないものに触れることで、自分を相対化し、深みを探求できるようになるわけだ。p74
最近、気になるのが「失敗してはいけないと思っている」人が増えていることです。失敗しないようにしようと気を付けるというレベルならいいけれど、それがエスカレートすると「失敗しないためには何もしないのが一番」になってしまうのが怖いのです。
予定とは違っていた道へ迷い込んで、そこで出会えるかもしれない驚きを自ら放棄してしまうなんて、余りにもつまらない人生です。ちょっと寄り道、ちょっとつまみ食い、ちょっと冒険、それができなかったら、生きている意味がないんじゃないかな?
特に有効なのは、本を買った直後に(喫茶店へ)立ち寄ることだ。およそ読書のモチベーションというものは、買った直後が最も高い。その前向きな姿勢を、無駄にする手はないだろう。むしろ買ったまま放置してしまうと、そのまま部屋の隅で忘れられた存在になる恐れがある。p158
本を買ったらすぐに読むって大事なことです。喫茶店へ入ってすぐに読む、もしすぐに帰らなければならないなら、駅のホームで読む。とにかく、すぐに読み始めないと!「鉄は熱いうちに打て」ですよ!
私は、「読書しない人間は人にあらず」くらいに思っている。特に学生にはそういい続けている。「読んだ方がいい」というレベルではなく、「読まなければダメ」と説いているのである。p191
このごろ、こんな風に背中を押してくれる人がホントにいませんね。斉藤先生、もっともっと大きな声で読書を勧めてください!
本を読み、考え、同じ本を読んだ人と語り合う。それはとても楽しい時間です。
読書をすることでしか得ることができないことがたくさんあるのだと、知らないともったいない!
2422冊目(今年121冊目)
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