『ビブリア古書堂の事件手帖 7 栞子さんと果てない舞台』 三上延
これまでも様々な古書が登場しましたけれど、今回はついに「シェークスピア」です。シェークスピアと徳川家康の没年が同じということを栞子さんのセリフで初めて知りました。1616年というと約400年前、シェークスピアが活躍したのは江戸時代ということを考えると、彼の著作が世界中で読まれているという事実は奇跡のようなことだと思えてきます。
栞子さんの母親の智恵子さんの秘密が少しずつ解き明かされていくにつれ、彼女がああいう人になったのには、それなりな理由があったのだなと思えてきました。もちろん本に関する膨大な知識や考え方は本人の素質が大きいのですが、それに加えて生い立ちの問題が大きな影を作ってしまったのだと思うのです。
栞子さんと大輔さんの親密度はずっと増してきましたけど、やっぱり「もう一歩押しが足りないぞ、大輔!」と大輔さんの母親からも、智恵子さんからも思われているようで、そのグズグズしたところが面白過ぎです。
・プロローグ
・第一章 「歓び以外の思いは」
・第二章 「わたしはわたしではない」
・第三章 「覚悟がすべて」
・エピローグ
栞子さんが主人公の第一シリーズはここまでですが、智恵子さんとの関係はどうなっていくのでしょうか?
そして、娘の扉子さんシリーズも楽しみだわぁ。
2428冊目(今年127冊目)
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