『東京の古本屋』 橋本倫史
橋本さんは、古書店のことをもっと知りたくて、それぞれのお店に3日間滞在し、そこで見たこと、感じたことを本にしました。
開店前に掃除をして、看板を出して、本を並べ替えて、値付けをして、本のリストを作って、買取をしたり、古書組合で仕入れをしたりして、やっと本を売ることができるのです。
古本市に出店したり、本を店で売るだけでなく、ネットで販売することもあります。古書店ってのんびりした感じがあるけれど、意外と忙しいし、力仕事が多いということがよくわかります。
この取材期間は、オリンピックが開催されるということが予定されていたのですが、それよりも大きな問題「コロナ過」が発生し、古書店にも影響を及ぼしたのです。古書店にも緊急事態時の休業要請があって、その理由が「古書店は趣味的要素が強い」つまり不要不急だと認定されて、お店を開けられない時期があったのです。新しい本を売る店なら営業していいのに古書店はダメって、どういうことなんでしょう!!
その間、ネット通販ならやってもいいのか?などの指示が全くなく、古書店の方自ら電話を何百回もかけて役所に確認を取ったという話にはビックリです。「通販ならOK」という確約が撮れたので、同業者の人たちにその話を広めたというあたり、古書店の方々の仲間意識の強さを感じました。
この期間、古書店として大事な仕事である「買取り」ができない状態だったのは辛かったでしょうね。
店を開けるようになったとたんに、常連さんたちが本を買いに来てくれて、それは何よりうれしいことだったでしょうね。やっぱり書店というのは店とお客さんのつながりが大事なんだなぁって思います。
がんばれ、古書店!
[登場する10店の古本屋]
・古書往来座(池袋)
・盛林堂書房(西荻窪)
・丸三文庫(早稲田)
・青いカバ(駒込)
・古書ビビビ(下北沢)
・岡島書店(立石)
・コクテイル書房(高円寺)
・北澤書店(神保町)
・古書みすみ(小金井)
・古本トロワ(無店舗/五反田遊古会)
2436冊目(今年135冊目)
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