『ビブリア古書堂の事件手帖 Ⅰ 扉子と不思議な客人たち』 三上延
栞子さんと大輔さんが結婚し、6歳の扉子さんと3人で暮らしています。扉子さんはやっぱり篠川家の子ですから、本が大好きでお店の本を開いていると栞子さんに「売り物の本を読んではダメよ」と怒られています。そんなこと言ったって、栞子さんだっていつも読んでたじゃないですか~ってツッコミを入れたくなってしまいますよね。
栞子ママが扉子さんに古書にまつわるお話をしています。ですから、この時点よりも少し昔のお話です。古書を巡る話は、懐かしい思い出のお話ばかりではありません。高額になることもある古書の奪い合いのようなこともあります。
まだ幼い扉子さんは、「本を好きな人に悪い人はいないよね」と思っているようで、栞子さんは「世の中にはいい人ばかりというわけではないのよ」という気持ちで話をしているような気がします。
「からたちの花」の歌、子どもの頃はよく聞いたり歌ったりしていたのに、このごろは聞かなくなりましたね。この頃のように心が荒むことが多い時に童謡を聞いて心を休めることも大事だなって思いました。
今回の話の中で一番好きだったのは「俺と母さんの思い出の本」です。お母さんが昔買ってくれたあの本が、息子にとってどんなに大事な本だったのかを知って、お母さんの生き方も変わったんじゃないかしら。
・プロローグ
・第一話 北原白秋 与田準一編「からたちの花 北原白秋童謡集」(新潮文庫)
・第二話 「俺と母さんの思い出の本」
・第三話 佐々木丸美「雪の断章」(講談社)
・第四話 内田百閒「王様の背中」(楽浪書院)
・エピローグ
2445冊目(今年144冊目)
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