『放送作家ほぼ全史 誰が日本のテレビを創ったのか』 太田省一
三木鶏郎、永六輔、青島幸男、大橋巨泉、野坂昭如、五木寛之、井上ひさし、阿久悠、秋元康、高田文夫、三谷幸喜、鈴木おさむ、宮藤官九郎。戦後から現代まで、これら輝かしい〈才能〉がみんな〈放送作家〉出身だったことに驚かされます。文化の視点でテレビと斬り結ぶ社会学者・太田省一さんが「放送作家」という不思議な存在を鮮やかに描き出します。(書籍紹介より)
放送作家という言葉を知ったのはずいぶん昔のこと。元々は裏方だったはずの職業なのに、青島幸雄や大橋巨泉など、タレント化していく人が大勢いました。わたしが小学生だった頃は巨泉・前武全盛時代で、「ゲバゲバ90分」ネタで遊んでいた記憶が強烈にあります。
放送作家とは、テレビやラジオ番組のストーリーを書く人ですから、もともとアイデアも豊富だし、文章が上手い人です。音楽番組やバラエティ番組の作家を経て、作家や脚本家、演出家になっていくのは自然な流れなのかもしれません。
自分がタレントになってしまった人、政治家になった人もいますけど、それもまた彼らの表現力が原動力になっていたなかなと思います。
そして、アイドルを作り出す方向へ向かった人もいます。「スター誕生」もユーチューバーも、やっぱり企画ありきなのだなということを感じました。
かつてはマスへ向かって売り込みをかけていた放送や雑誌という媒体がすたれ、より個人向けに特化したネットやSNSという媒体に変わって来ても、結局は誰かが仕掛けているということに変わりはないわけです。
面白いこと、大勢の興味を引くこと、それを狙ってアイデアを生み出す人は次はどの方向へ進んでいくのでしょうか。
序章 風刺の時代〜前史、そして原点としての三木鶏郎
第1章 タレントになった放送作家たち~1960年代
第2章 小説家になった放送作家たち~1960年代のもうひとつのかたち
第3章 アイドル時代をつくった放送作家たち~1970年代から1980年代
第4章 バラエティ時代の放送作家たち~1980年代から1990年代
第5章 脚本家になった放送作家たち~1990年代から2000年代
結びの章 YouTube時代のなかで~放送作家的生きかたの行方
付録/放送作家関連年表・人名索引
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