『幽霊たち』 ポール・オースター
私立探偵ブルーは奇妙な依頼を受けた。変装した男ホワイトから、ブラックを見張るように、と。真向いの部屋から、ブルーは見張り続ける。だが、ブラックの日常に何の変化もない。彼は、ただ毎日何かを書き、読んでいるだけなのだ。ブルーは空想の世界に彷徨う。ブラックの正体やホワイトの目的を推理して。次第に、不安と焦燥と疑惑に駆られるブルー…。(書籍紹介より)
登場人物の名前がすべて色の名前。まるで「キャプテン・スカーレット」のようだわと思ってしまいました。主人公のブルーは私立探偵で、今回のように一か所にとどまって仕事をすることに戸惑っています。ブラックがずっと机の前で文章を書いたり、本を読んでいるだけなので、それを監視する仕事に飽きてしまいます。
ブラックが読んでいる本は何なのだろうと双眼鏡で覗いてみるくらいしかできなくて、後の時間は様々な想像をするしかないのです。だから、たまにブラックが外出してくれると、尾行するのが楽しくてしょうがないんです。でも、あまり遠くまで出かけてくれないので残念。
余りにもブラックが部屋から出ないので、ブルーは勝手に出かけるようになります。ロバート・ミッチャム主演の映画を見たり、エベッツ・フィールド(ブルックリン・ドジャースのホーム球場)まで、ジャッキー・ロビンソンが出場している試合を見に行ったり。ジャッキーが初めてMLBの試合に出たのが1947年なので、この物語は1950年くらいのことなのかしら。
オースターがこの本を書いたのが1986年、彼の子どもの頃の記憶とハードボイルド小説のイメージが重なり合ってできた物語なのでしょうね。
ブラックが何もしないことにいらつき、ブルーが少しずつ混乱してくるところにドキドキしました。
2421冊目(今年120冊目)
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