『深夜0時の司書見習い』 近江泉美
高校生の美原アンが夏休みにホームステイすることになったのは、札幌の郊外に佇む私設図書館、通称「図書屋敷」。不愛想な館主・セージに告げられたルールを破り、アンは真夜中の図書館に迷い込んでしまう。そこは荒廃した裏の世界――“物語の幻影”が彷徨する「図書迷宮」だった!
迷宮の司書を務めることになったアンは「図書館の本を多くの人間に読ませ、迷宮を復興する」よう命じられて……!?(書籍紹介 より)
本に興味なんてこれっぽっちもなかったアンなのに、司書をするようにと言われても、何をしていいのかちっともわかりません。猫の「ワガハイ」にいろいろ押しててもらいながら、少しずつ図書屋敷でお仕事するようになって、少しずつ楽しくなってきたのだけれど、自分の気持ちを制御できないことに苦しんでしまうのです。
もみじ君の言うとおりだったってこと。わたしは自分の失敗を期待している。自信がなくて、私が変われば図書屋敷と迷宮を守れるかもしれないんだから。(本文より)
アンが自分に自信を持てなくなったのは、学校でいじめられていたから。友達もいないし、いつも冷たい目で見られていたし、何かをすればしただけ悪口を言われるだけだから、どうしていいのかわからなくなっていたのです。
ここにアンやってきたのは、偶然なの?それとも誰かに呼ばれたからなの?
・プロローグ
・一冊目「荘子 第一冊 内篇」荘子
・二冊目「クローディアの秘密」E. L. カニグズバーグ
・三冊目「シャーロック・ホームズの冒険」コナン・ドイル
・四冊目「おおきなかぶ」A・トルストイ再話
・エピローグ
「クローディアの秘密」のように、家出してみたいなと思えるようになったアンは、新しい自分に生まれ変わったんじゃないかしら?
2455冊目(今年154冊目)
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