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『大人は泣かないと思っていた』 寺地はるな

大人は泣かないと思っていた

寺地はるな(てらち はるな)

集英社文庫

 時田翼は32歳、農協に勤めていて、78歳の父と2人で暮らしている。母親は、翼が小学生のときに家を出て行った。真面目だけれど融通が利かず、何かというと手が出る父親に愛想をつかしたらしい。

 翼が住む田舎町は、まだまだ男尊女卑が当たり前だし、何か変わったことをしたらあっという間に近所の人にその噂が広がってしまう。そんな窮屈な生活を少しでも変えていこうと思う人と、ずっとこうなんだからこのままでいいという人が混在している。

 翼は年長者たちからはナヨナヨした奴と思われてるけど、実はしっかりした奴なんだ。自分が少しでもエラクなって「お茶くみやお酌は女がすること」みたいなつまらない慣習やオキテをやめさせたいと思ってる。

 

 自分の親が入院していても、お前は長男の嫁なんだからこの家のことが優先だと言われたことを、ずっと忘れずにいる人。結婚したい人がバツイチだからと頭から反対する親に悩む人。やるせない気持ちを酒でごまかしてきた人。みんな、それぞれのつらさを抱えている。

 

 生きてるとさ、つらいことがいろいろあるんだよ。それをぐっと我慢していてもさ、泣きたくなることがあるんだよ。誰にも涙を見せたくないって強がってみてもさ、つらい気持ちはどうにもならない。誰かに向かって「つらい」とつぶやくだけでも違うんだよ。一目なんか気にしないで泣いちゃう方が、ずっとスッキリするんだよ。

 

 大人だって泣きたい時があるんだから。

 

  • 大人は泣かないと思っていた
  • 小柳さんと小柳さん
  • 翼がないから跳ぶまでだ
  • あの子は花を摘まない
  • 妥当じゃない
  • おれは外套を脱げない
  • 君のために生まれてきたわけじゃない

2473冊目(今年172冊目)

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