『本と鍵の季節』 米澤穂信
高校2年の図書委員、堀川次郎と松倉詩門。図書委員になるまではお互いのことを知らなかったけれど、一緒にカウンター業務をしたり本の話をしたりするうちに、かなり親しくなったんです。カウンター業務は大して忙しくないけれど、なぜか調べ物を頼まれてしまう。でも、図書室内の本の話じゃない。「ちょっとうちに来てくれる?」という話になってしまうのは何故なんだろう?
頭の回転が速そうな松倉と、真面目な堀川、高校生なんだけど妙に落ち着いている2人。ホームズとワトソンみたいな会話をしていて、ちょっと意地悪いじゃないかって発言もあるけれど、でも一線は越さない。仲は良いけれどお互いの過去は知らないから、いつも微妙な感覚の差が出てくる。でも、それを面白がっているみたい。
少しずつお互いのことがわかるにつれ、ミステリー感が上がってきました。なかなか面白い展開です。このシリーズ続くのかしら?
この6編が収められています。
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先輩のお祖父さんの金庫を開けたいというのだけれど - ロックオンロッカー
2人そろって髪を切りに美容院へ行ったら、今まで話もしたことがない店長が「貴重品はお手元に」と - 金曜に彼は何をしたのか
高校のテスト問題を盗んだと疑われた兄のアリバイをさぐってみると - ない本
友人が死ぬ前に読んでいた本を探したいという - 昔話を聞かせておくれよ
自分の子どもの頃の話をお互いにしているうちに - 友よ知るなかれ
松倉は嘘をついていない、でもすべてを話しているわけでもない
2447冊目(今年146冊目)
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