『東京タイムスリップ1984↔2021』 善本喜一郎
大量に発見されたネガフィルム。それは昭和末期の活気ある東京の風景だった。懐かしい東京の風景を、現在の同位置・同角度から撮影したものと並べて紹介。劇的な東京の変化を楽しめる写真集!(書籍紹介より)
表紙のこの写真に引き寄せられてしまいました。この写真が撮られたのは1984年ですが、その5年ほど前にわたしはほぼ毎日この辺りを歩いていました。甲州街道沿いに学校があって、帰りに新宿東口の方へ寄るときに、ここを歩いていたのです。あの階段を上ったところが「昭和天皇即位記念碑」の建つ「御大典広場」だったとは!この写真集を見て初めて知りました。(現在は「十二社熊野神社(じゅうにそうくまのじんじゃ)」に移設されています)
新宿の西口と東口をつなぐ「角筈ガード」も懐かしい。西口側は雑然とした感じの店が並んでいるのに、薄暗いガードを通り抜けて東口側に出た瞬間にアルタが見えてきます。アルタができたのが1980年、その前は二幸という食料品店でした。その並びにある果物屋さんではカットフルーツを売っていました。果物屋さんの横から歌舞伎町へ向かう道も、昔はもっと猥雑な感じでした。
新宿も、渋谷も、新橋も、写真を見比べると随分変わっています。でも、時々同じ建物が残っていたり、立て直してはいるけれど同じ会社の建物があったりすると、なぜか嬉しい。
あのころ、ここを歩いたなぁという思い出がいろいろとよみがえってくる。そんな中で驚いたのが代々木八幡の踏切。ここは毎朝、開かずの踏切でずいぶん待たされたよなぁって記憶がある。余りにも踏切が開かないので、自転車をかついで歩道橋を上っている人もいた。ここの道は3年くらい通ったのに、ロマンスカーが通るところは一度も見たことがなかったことに気がついた。たまにしか行かない新宿の踏切では見たことがあるのに、タイミングの問題なのかなぁ?
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