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『BLACK JACK 3』 手塚治虫

BLACK JACK(ブラック・ジャック) 3

手塚治虫(てづか おさむ)

秋田文庫

 ブラックジャックは無資格の医者だけど、腕がいいのが知られているから世界中の患者から手術の依頼が来る。お金で命が買えるなら安いものだとわかっている金持ちが世界中にいるということなんだよね。でも、世の中のほとんどの人にはそんなお金はない。そんな人にも、彼は「自分が治療すれば必ず治るけれど、治療費は高いよ」と言う。その言葉に一瞬はひるんでも「いくらかかってもいいです」と答えられる人からは治療費を取ろうとはしないところが、彼の面白いところで、その言葉で相手の気持ちを確かめてるんじゃないのかなと思えてくる。

 お金持ちからは遠慮なく治療費を取るから、それでいいのかもしれないけど、採算度外視の仕事もたくさんしているのよね。

 「ふたりの黒い医者」で登場したドクター・キリコはブラックジャックとは正反対の仕事をしているのだけれど、彼の論理もあながち間違ってはいないところがあって、人の生き死にの線引きはどこにあるのかが難しいところだと思う。

 でも、「ある老婆の思い出」のような奇跡も、きっとどこかで起きているのだということも信じたい。

 ブラックジャックを読んでいると、命のことをいろいろと考えてしまう。そして、そんな時間を持つことが大事だなと思う。

 

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  • ちぢむ!!
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  • コマドリと少年
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  • ある女の場合
  • ふたりの黒い医者
  • 研修医たち
  • ある老婆の思い出
  • ピノコ愛してる
  • 執念
  • 奇妙な関係
  • 赤ちゃんのバラード

2450冊目(今年149冊目)

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