『蜜蜂と遠雷 下』 恩田陸
第一次予選には100名ほどのエントリーがあり、その中から24名が第二次予選に進みました。(ここまでが上巻)
ここで更に絞られた12名が第三次予選で、一人1時間の持ち時間で自由に曲を選び、演奏します。作品中でも語られますが、演奏者が大変なのはもちろんですが、審査員たちはこれをすべて聞き、点数をつけていくわけです。これは体力的にも精神的にも大変な作業で、審査員の方々も特別な力を持った人たちなのだなと感じました。
そして最後の本選は6名の演者がオーケストラをバックに演奏するのです。第三次予選まではピアノのみの演奏ですから、演者自身の自由度が高いのですが、オーケストラとの協奏曲ということになると、また別の才能、技術、メンタリティが必要なのです。
彼らが演奏する曲目をYoutubeで探して聞いてみると、恩田さんの文章の見事さに再度驚いてしまうのです。
小説という文字だけの表現で、どうしてこんなにも引き込まれ、緊張感や臨場感を感じるのでしょうか?
ああ、素晴らしい!
2457冊目(今年156冊目)
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