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『ホテルローヤル』 桜木紫乃 202

ホテルローヤル

桜木紫乃

集英社文庫

第149回直木賞受賞

 釧路湿原のそばにあるラブホテル、そこにやって来る男女には、様々な物語があります。嫁いだお寺のために身体を提供する女。大人のおもちゃの営業マン。妻に浮気をされた教師と親に見捨てられた高校生。そして、このホテルを継ぐことになった独身女性と、そこで働く中年の女。

 みんな他人には言えない悲しさや辛さを抱えています。家族の問題も、お金の問題も、男女の問題も、ここにきて解消できることも少しはあるけれど、ほとんどはどうにもならないことなのです。

 このホテルができてから、閉店して廃墟になる過程を、時間をさかのぼって語っていくのが面白いです。途中で何度か語られてはいたけど、最後の話でこのホテルがどうやってできたのか、どうして「ロイヤルホテル」になったのかが明かされるところがいいですねぇ。このホテルを作った男性は、この名前に夢を託したのかなぁ。

 

 「この2人どうなるんだろう?」という1話目から、少しずつ昔の話になっていくにつれてホテルの歴史のようなものが見えてきて、父の死によってこのホテルを継ぐことになった娘の、ちょっと投げやりな人生にあきれたり、同情したりして、人生って不思議だなぁって思う物語でした。

 はっきりとは語られていないけど「せんせぇ」の2人が、このホテルが廃業する原因となる事件を起こしたのかしら?

 

 この7編が収められています。

  • シャッターチャンス
  • 本日開店
  • えっち屋
  • バブルバス
  • せんせぇ
  • 星を見ていた
  • ギフト

2503冊目(今年202冊目)

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