『とんこつQ&A』 今村夏子
この本に登場する主人公たちは、みんな不器用で「ちょっと変な人」です。でも、そんな自分に気がついていないのか、そんな自分を持て余しているのか、周りの人たちのペースとはまるで違うペースで生きています。
それぞれの人が、それなりに頑張っているようでいて空回りしていたり、自分ではいい事だと思ってやっていることが全然お門違いだったりしています。
本人は意識していないけれど、その奥底には悪意があったり、逆に悪意はないけど酷いことをしていたり、こんな人いるなぁって思ったり、自分も同じだなって思ったり、じんわりと怖さが迫って来る感じが今村さんらしいなと思うのです。
この4篇が収められています。
・とんこつQ&A
このお店、本当は「とんこう」という名前だったんですけど、「う」の字の上の部分が薄くなってしまったのを放っておいたものだから、気がついたら「とんこつ」って呼ばれるようになってしまいました。
・噓の道
「与田くんを仲間外れにしないようにしましょう」って先生が言うから、みんなで与田くんに声をかけるようになりました。
・良夫婦
友加里さんは、家の近所で見かける小学生のことが気になってしょうがないのです。
・冷たい大根の煮物
アルバイト先で、柴山さんには気を付けろって忠告されたんですけど、彼女はわたしに親切にしてくれるから、そんな言葉に騙されちゃダメだって思ってたんです。
#とんこつQA #NetGalleyJP
2494冊目(今年193冊目)
« 『くらべる東西』 おかべたかし 山出高士 | トップページ | 『小説天気の子』 新海誠 »
「日本の作家 あ行」カテゴリの記事
- 『冷蔵庫探偵 蔵前怜子』 遠藤彩見 25-310-3706(2025.11.08)
- 『物語の役割』 小川洋子 25-297-3693(2025.10.26)
- 『キャベツ炒めに捧ぐ リターンズ』 井上荒野 25-285-3681(2025.10.14)
- 『ぼくは刑事です』 小野寺史宜 25-281-3677(2025.10.10)
- 『他人屋のゆうれい』 王谷晶 25-239-3635(2025.08.29)
「NetGalleyJP」カテゴリの記事
- 『キャベツ炒めに捧ぐ リターンズ』 井上荒野 25-285-3681(2025.10.14)
- 『幽冥パティスリー 煉獄堂 1』 Sanho 25-265-3661(2025.09.24)



コメント