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『音読でたのしむ思い出の童謡・唱歌 令和に伝えたい心に響く歌101』 斉藤孝

音読でたのしむ思い出の童謡・唱歌
令和に伝えたい心に響く歌101

斉藤孝(さいとう たかし)

KADOKAWA

 この本のどのページを開いても、ほとんどの曲が歌えてしまうのにはビックリしました。

 子どもの頃に覚えた童謡や唱歌って、不思議なほど覚えているモノですねぇ。「あかとんぼ」や「七つの子」のように、比較的耳にする曲だけでなく「村の鍛冶屋」とか「おお牧場はみどり」のように、ずっと聞いていなかった曲だって、歌詞を読むとすいっとメロディーが出てくるのです。

 

商業施設の閉店BGMとして知られている曲は、実は「蛍の光」ではなく「別れのワルツ」という別の楽曲だということです。

どちらも同じスコットランド民謡を原曲としていますが、「別れのワルツ」のほうは「哀愁」というアメリカ映画で流れたもの。ワルツ風に三拍子に編曲され、閉店間際のお店でのダンスシーンで使われたそうです。(p168)

 いやいや、これまで気づいていませんでした。言われてみれば、蛍の光は四分の四拍子で、別れのワルツは四分の三拍子ですものねぇ。確かに違う曲です。「哀愁」は「風と共に去りぬ」のヴィヴィアン・リー主演の映画でした。映画で使われて有名になった曲はたくさんありますけど、この曲もそうだったとは気づいていませんでした。

 「ドレミの歌」も映画「サウンド・オブ・ミュージック」の中の曲で、日本語の歌詞はこの曲を大ヒットさせたペギー葉山さんご自身でした。英語の詩と比べるとかなりニュアンスが違う所が面白いです。

 ドボルザークの新世界に歌詞をつけた「家路」の「遠き山に日は落ちて~」という詩を書いたのが堀内敬三さんだというのも初めて知りました。あの壮大な曲が日本人にとって身近なものになったのは、この歌詞の力が大きいのでしょう。

 この本で取り上げられているような普遍的な歌詞の曲が、これからもずっと残っていって欲しいなぁと思うのです。

2484冊目(今年183冊目)

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