『小説天気の子』 新海誠
穂高(ほだか)は息苦しい家から家出して東京へやってきました。知っている人など誰もいない大都会で、とりあえずの居場所を見つけて生き延びた彼は、陽菜(ひな)という3歳年上の女の子と出会ったのです。
彼女は、どんな雨降りでも晴れさせることができるというのです。雨の中で彼女が祈ると、本当に青空が広がったのです。
陽菜の弟で10歳の凪くんのことを「凪センパイ」と呼んでしまうほど、穂高は純情な男の子。陽菜のことが大好きなんだけど、どう話をしたらいいのか、どんな風にしたら好かれるようになるのかを考えただけでもドキドキしています。
そもそも天気とは、天の気分(p141)
天気を晴にすることができる能力は、実は諸刃の剣で、陽菜にとっては辛い運命が待っているらしいのです。そんな陽菜を助けようとする穂高は走り続けるのです。
穂高も陽菜も、それぞれに問題を抱えているけど、お互いを大事に思っているのは確かです。
ああ、若いっていいなぁ!
そして、雨が降り続く東京の町の姿は、近未来の予測のような気がしてしょうがないのです。
2495冊目(今年194冊目)
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