『くらべる東西』 おかべたかし 山出高士
日本の東西で違っていることがたくさんあります。でも、それを実際に感じることができるのは、引越しをしたときとか、旅行に行ったときとか、限定された機会であることが多いので、気づかないままなことがたくさんあります。
表紙の写真は銭湯の東西比較なんですけど、関西の銭湯では真中に浴槽を配置しているいうのを初めて知りました。これは入浴の順番の差が原因なんだそうです。浴室の奥に浴槽があるのは、汚れた身体をお湯で流してから浴槽に入るからなのです。肉体労働者が多いのでこういう形態になったようです。関西の場合は商人が中心なので、まず身体を温めてから洗うという順番になるので、こういう配置になったのだとか。なるほど、人々の暮らしに即したレイアウトなんですね。
関西レイアウトの銭湯に一度入ってみたいです。
それと関連しているのでしょうか、桶のサイズも違っていて、関西の桶の方が少し小さいのだそうです。
そして、おでん(関東炊)の具の差にも驚きました。「ちくわぶ」が関東の特殊ものだというのは知っていましたが、関西風の方に「ふき」が入っているのにビックリ!これはぜひ食べてみたいです。
そして、こんなところも違うのだ!とビックリしたのは座布団の中央の綴じ糸の形です。東は「×」または「+」なんですが、西は「Y]または「人」の形なんですって!知らなかった~!
様々な東西の差は、それぞれの歴史があってこそ。こういう違いを知ること、楽しむこと、そういうことが異文化を理解する第一歩なのだと思うのです。
山出さんの、写真に関するコラムもとても面白かったです。違いが目で見てわかりやすいかどうかというのは、実際に写真を撮ってみないとわからないことが多いのですね。
2493冊目(今年192冊目)
« 『ごきげん ゆるノートBOOK』 なかむら真朱 | トップページ | 『とんこつQ&A』 今村夏子 »
「デザイン・アート・写真」カテゴリの記事
- 『くらべる東西』 おかべたかし 山出高士(2022.07.18)
- 『怖い絵』 中野京子(2022.07.02)
- 『美貌のひと』 中野京子(2022.06.25)
- 『東京タイムスリップ1984↔2021』 善本喜一郎(2022.06.09)
- 『サンダーバード完全写真資料集成』 スティーブン・ラリビエー(2022.05.18)
「日本の作家 あ行」カテゴリの記事
- 『時代の変わり目を、やわらかく生きる』 石川理恵 28(2023.01.29)
- 『ボタニカ』 浅井まかて 25(2023.01.26)
- 『「一人で生きる」が当たり前になる社会』 荒川和久、中野信子 14(2023.01.15)
- 『ノッキンオン・ロックドドア』 青崎有吾 10(2023.01.11)
- 『チーズと塩と豆と』 角田光代、井上荒野、森絵都、江國香織 358(2022.12.29)
「日本の作家 やらわ行」カテゴリの記事
- 『佐野洋子対談集 人生のきほん』 佐野洋子、西原理恵子、リリー・フランキー 359 (2022.12.29)
- 『女子高生サヤカが学んだ「1万人に1人」の勉強法』 美達大和、山村サヤカ、山村ヒロキ 357(2022.12.28)
- 『階段ランナー』 吉野万理子 346(2022.12.19)
- 『学校のぶたぶた』 矢崎在美 321(2022.11.24)
- 『ぶたぶた日記』 矢崎在美 314(2022.11.17)
コメント